お盆の季節、ですね。

見送った人が多ければ多いほど、帰ってくる人は多いのでしょうか。
その人の元へ寄っては、その人のことを考え、そしてまた、帰っていく。そんなのが何人も、何人も。
その人は、寄ってくれた人たちすべてを覚えているのでしょうか。忘れられているんだとしたら、なぜ、その人の元へ寄るのでしょうか。

ずいぶんと昔、亡くした恋人は、私の元へ寄ってくれているのでしょうか。
それとも、もう彼は私のことなんて忘れているのでしょうか。
もうずいぶんと長い間、私は彼のことをこの時期に思い出しませんでした。それでも彼は、寄ってくれていたのでしょうか。
そして何も考えていない私を見て、どう思ったのでしょう。

人の死を、嘆くなんてことは、ずいぶんと前からありません。
いつが最後？祖母が亡くなってから、かな？
知らない人が亡くなってようと、友人が亡くなってようと、私は何も思いません。

感情は、誰よりも嘘吐きであり、正直です。
冷静でいればいるほど、嘘ばかり吐くのです。

亡くなった方々には、その嘘も見抜けるのでしょうか。
生きている人と同じように、見えないものなのでしょうか。

だとすれば、そうだとすれば。
すべての人の死を嘆いているように見せれば、嘘吹いていれば、亡くなった方々を弔うことに繋がるのでしょうか。